大切な乳歯を守るため、虫歯予防に力を入れている方も多いと思います。
私も子どもの乳歯の生え始めから、歯磨き、箸やスプーンなどを共有しないなど、虫歯予防に努めていました。
しかし、やってしまいました。
娘が1歳になる頃、上の前歯に帯状の白い初期虫歯を発見したのです…
「きちんとケアしていたはずが、乳歯を虫歯にしてしまった」
「永久歯まで影響が出るかもしれない」
と不安になり、自分をとても責めました。
しかし、当時の私と同じように「乳歯を虫歯にしてしまった…」と落ち込んでいる方、
大丈夫です。
きちんとした虫歯ケアと注意事項を守れば、乳歯の虫歯の進行を防ぐことができます!
現在5歳になった娘は、虫歯も悪化なく、治療もせずにもうすぐ生え変わりの時期を迎えます。
虫歯を悪化させないポイント3つを、
我が家の事例と写真で紹介しますので、ご参考にどうぞご覧ください。
もくじ
乳歯の虫歯は白い!
乳歯の虫歯が白いのはご存知でしたか?私は知りませんでした。
健康な乳歯は表面に透明感があるので、艶のある透き通った白色です。しかし、虫歯に冒されると、艶を失って行きます。見え方としては、部分的に白く浮かんでいるような感じです。
これは、虫歯によって艶の元となるエナメル質が溶け始めていることが原因です。
娘の場合、上の前歯4本の根本表面を、うっすらと黄色みがかった帯状の線が覆っていました。
極薄い「茶渋」のようなイメージです(当時の状態に似た引用画像です)
引用元:虫歯の治療例より(治療前)
1歳乳歯の前歯は5ミリ前後と短いので、この茶渋のような変色はとても目立ち、すぐにわかりました。
これが異常かどうかの判断はさすがにネットで検索してもできないため、すぐに歯科受診をしました。
3人の歯科医に別々の診断をされた話~乳歯の虫歯診断は難しい?
初めて診て頂いたのは近所にある小児歯科です。
こちらの診断は「初期虫歯」ということで、現在も3カ月に一回通院しています。
しかしその後、1歳半検診と、別の歯科医で歯科検診で診てもらう機会があり、いずれも違う診断を受けました。
3者の診断は以下のとおり。
・小児歯科の診断(現在のかかりつけ医) ※娘当時1歳0か月
⇒初期虫歯。小児の虫歯は再発も多いため、削る治療はせず保存的にみていく。
・1歳半検診の歯科医の診断 ※娘当時1歳半頃
⇒虫歯じゃない。歯の着色と思われるので、ブラッシングの指導を受ける。
・別の歯科医(私のかかりつけ歯科) ※娘当時2歳頃
⇒虫歯になりかけの歯。見た目が気になるなら表面を削り詰めることもできる。
1歳半検診の際に「虫歯じゃない」と言われたときはさすがに「小児歯科の誤診か?!」と思いました。
とはいえ「虫歯」と一度診断された以上、予防するに越したことはないのでもちろん小児歯科の通院は欠かしませんでした。
とても「別の歯科医には虫歯じゃないって言われたんですけど、どうなってるんですか?!」なんて言えませんでした。
しかし「虫歯 or 虫歯じゃない」モヤモヤは引きずり、私のかかりつけ歯科医へ上記の旨を伝え、相談することになります。
私のかかりつけ歯科医は「虫歯になりかけで着色もある。もし審美的に気になるのなら治療も可能」と仰いました。
今考えれば、これは小児歯科医、検診の歯科医さんの診断の中間の診断をしたんだと思います。
どの歯科医も誤診ではない、ということを伝えたかったのでしょうね。
それだけ乳歯の「白い虫歯」は診断が難しく、歯科医でも微妙に診断が変わるのです。
でも虫歯にしろ、虫歯じゃないにしろ、
乳歯は積極的に削らない。
という点は共通してたので、家から近い、評判の良い小児歯科(最初に受診した所)を選びました。
結果は大満足!
現在までの4年間、虫歯の悪化なくいられるのは、歯科医、歯科助手さんの協力あってこそです。
写真は娘の現在の歯の状態です。

上の前歯4本をよくご覧ください。
歯の成長とともに、虫歯(薄い茶色部分)の位置も下がっています。
現在でもその部分は多少目立ちますが、その部分以外は真っ白で綺麗な歯です。
娘の幼稚園では年に一度、歯科検診があります。
昨年の結果は虫歯になりかけ。
でも今年はなんと、虫歯がありません でした!!
この結果からみても、娘の虫歯はやっぱり微妙なラインだったのでしょう。
しかしこの4年間、虫歯と向き合ってきた対策が間違っていなかったとわかり、自信になりました。
乳歯の虫歯を悪化させない3つのポイント
娘のかかりつけ歯科医の治療方針は「乳歯のうちは積極的に削る治療はせず保存的にみる」
つまり「普段の生活で虫歯を悪化させないよう、いかに工夫していくか」が重要なポイントとなります。
食後すぐに歯みがきをし、寝る前はデンタルフロスを使う
「食後の歯みがきなんて誰もやってるよ」と思われるかもしれません。
私も娘が虫歯と診断される前、毎食後歯みがきはしていました。
しかし少し違う点は
食後すぐに行うこと です。
食後の歯みがきのタイミングについては、専門家でも意見が分かれる部分ですが、
小児の歯みがきは早めの歯みがきが推奨されています。
小児における歯みがきの目的は歯垢の除去、すなわち酸を産生する細菌を取り除くとともにその原料となる糖質を取り除くことです。
歯みがきをしないままでいると、歯垢中の細菌によって糖質が分解され酸が産生されて、歯が溶けだす脱灰が始まります。
通常の食事の時は早めに歯みがきをして歯垢とその中の細菌を取り除いて脱灰を防ぐことの方が重要です。
乳幼児だと食事中、直後に寝てしまうなんてこともありますよね。
そんな時でも私は、欠かさず歯みがきをしていました。
寝ている娘の口に歯ブラシを入れたら危ないかな?起こして悪いな。と思うこともありましたが、虫歯を放置して苦労するのは娘です。
「ごめんね。歯みがきしようね」と声掛けしながら、ゆっくり前歯だけでも磨いてあげましょう。
ちなみに、歯磨き粉にこだわりはありません。
コップに入れた水で歯ブラシをゆすぎながらすることもありますし、フッ素入り歯磨き粉を使うこともあります。
そして寝る前は、
デンタルフロスを用いてしっかり歯間の清掃も行います。
フロスは面倒かもしれませんが、慣れです。
デンタルフロスには糸巻タイプとホルダータイプがありますが、どちらでも使いやすい方で大丈夫。
我が家はホルダータイプ(図の右)を使用し、1、2回使用し交換しています。

・食後すぐに歯みがきをする。
・寝る前には歯みがき+フロスで口の中をリセットする。
おやつの後はうがい、外出先はキシリトール入りタブレット
乳幼児のおやつは、栄養補助の意味合いもあるため、完全に無くすことは健康面でも良くありません。
娘のかかりつけ歯科医も「おやつは大事な栄養とコミュニケーションの一つなので、楽しみを奪うことはしません」と仰っていました。
おやつは食べても良い。
ただし虫歯を悪化させないためのルールがあります。
・歯に付くチョコレート、キャンディ、キャラメルは極力控える。甘いジュースを水分代わりに飲むことはダメ。
・おやつは決められた時間に10分程度で終わらせられる量を食べる。
・おやつ後はうがいをする(もちろん歯みがきでもOK!)
・外出先などでうがいのできない場合、キシリトール入りタブレットで代用。
娘のおやつは、グミ、ポテトチップス、ラムネがほとんどでした。
チョコレートを食べるときは直後に歯みがきを必ずし、外出先でチョコレートは食べないようにしています。
歯みがき代わりのキシリトール入りタブレットはとても有効で便利です。
キシリトールが配合されていても、量が少なければ効果は期待できません。甘味料のうち、50%以上はキシリトールが占めているものを選びましょう。理想は90%以上ですが、なかなか市販はされていません。最低ラインである50%以上の製品であれば、虫歯予防の働きが見込めるでしょう。
キシリトールの含有量が気になる場合は、以下の計算式で求められます。製品パッケージに書かれている成分表などを参考にしてみてくださいね。
【キシリトール÷炭水化物×100=キシリトールの含有率】
引用元:子どもの虫歯予防に効くのはどれ?キシリトール製品の選び方
キシリトール入りタブレットは、コンビ(teteoタブレット)ピジョン(タブレットU)ロッテ(しまじろうキシリトールタブレット)など、
お馴染みの有名企業から多数発売されていますが、キシリトール含有率には差があります。
身近で手に入りやすいキシリトール入りタブレットの中では、ピジョンとロッテの商品はキシリトール含有率70%を超えます。
引用元:https://products.pigeon.co.jp/item/index-1274.html
ちなみに我が家は、ピジョンのタブレットとビーンスタークのハキラを愛用しています。
ハキラはキシリトール含有率は10%と低いですが、娘がブルーベリー味が好きなので買っています。
常にキシリトール入りタブレットは携帯し、外出先では子どもたちから催促するほど食後の定番になっています。
周囲の人に協力してもらう。
我が家では3カ月に1度程度、祖母(私の母)が泊まりに来ます。
祖母は子どもたちに、こっそりオヤツをあげることがありました。
そこで娘の虫歯事情をしっかり説明し、先述した食後の歯みがきの徹底、おやつの取り決め事項を協力してもらいました。
友人やママ友同士のお付き合いでは、
他の子たちに気を遣わせるのはちょっと違う気がするので、ゆるくお菓子を避けます。
ただし、ごく一部の友人には虫歯の事情を説明しお土産を断っていました。
・歯みがきやおやつの摂り方など、協力してもらう人に周知してもらう。
現在、歯科で3カ月に1度フッ素を塗布してもらっていますが、普段の努力が最も大切です。
おやつを「早く食べなさい!」と叱ったり、食べた直後に「歯みがきしなさい!」と怒鳴っても虫歯の進行は防げません。
周囲と協力し、「根気よく楽しく」お口のケアを習慣化していきましょう。
実はまだある乳歯のトラブル【癒合歯、神経断裂】
ここからは虫歯とは別の話。
3歳の息子に起きている乳歯のトラブルの話です。
癒合歯(ゆごうし)

癒合歯(ゆごうし)と呼ばれるものです。発生率は約0.5%で、下の乳歯の前歯に多く見られます。現時点では問題はありませんが、乳歯が遅い時期まで抜けずに残る(晩期残存)ことが多くあり、発育に応じて抜かなければならないことがあります。
引用:乳幼児の歯の話
生後8か月頃、下の歯の1本が少し大きく、少ないことに気付き、
癒合歯を知りました。
息子は生後8か月で歯科医デビュー。
癒合歯の溝は浅いのですが、そこに汚れがたまらないようにフロスをするよう指導されました。
現在3歳ですが、これといったトラブルは今のところありません
神経断裂

二歳半のときに前歯の一本に黒ずみ発見。
痛みや出血、違和感を感じている様子はありませんでした。
歯科受診し、レントゲンを撮り「乳歯の神経一本が完全に切れている」と。
おそらくどこかにぶつけたのでしょうが、転んだり怪我したりが日常茶飯事なので、思い当たりませんでした。
この神経断裂により懸念されることは、
- 今後歯茎が腫れて痛みや発熱が出ること。また永久歯への影響。
- 乳歯自体が虫歯になりやすいのに加え、神経断裂だとさらに虫歯になりやすい。
- 歯がどんどん黒くなるが、白く戻ることはない。
神経が断裂しても治療はせず、生え変わりまで見守ることが多いそうです。
黒ずみはみるみる濃くなり、上の写真は現在の状態。
歯茎も腫れることなく、とくにトラブルはありませんでした。
しいて言えば、目立ちます。実際は写真よりもう少し黒いです。
ちなみに息子に虫歯はありません!
娘と同じく3つのポイントを抑え実践しているので、予防できているのだと思います。
娘の虫歯をきっかけに、私たち親も歯科検診を受けるようになりました。
娘も息子も歯みがきに抵抗なく、歯みがき後に食べ物を口にしようとしても「歯みがきしたからいらない」と言います。
この4年間で積み上げたことは、これから先もずっと虫歯リスクを抑える習慣になってくれるでしょう。
乳歯の虫歯で落ち込んでも大丈夫。
でもこれからは「悪化させないよう」気持ちを引き締めて、毎日取り組んでいきましょう。